大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25年(オ)177号 判決

被上告人は本訴において昭和二四年六月三〇日上告人のした除名議決の取消を求めるのであるが、職権をもつて調査するに本件除名当時の村議会議員の任期は昭和二六年四月二九日をもつて満了しているので、現在においては、本件判決を求める実益は失われているものと言わなければならない。よつて一審、二審判決を破棄し被上告人の請求を棄却する。

次に訴訟費用の負担について案ずるに、原判決は本件除名議決を取消すべきものとしているのであるが、その判旨は正当であるから被上告人は請求棄却の判決を受けるものであるけれども訴訟費用はすべて上告人に負担せしめるを相当とする。

以上説明のとおりであるから民訴四〇八条、九六条、九〇条に則り裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

(裁判官 霜山精一 栗山茂 藤田八郎)

右上告代理人玉井潤次の上告理由

一、第一審裁判所は村会議員が村会の議事規則に違反したと言う事由で除名処分をしたことに異議あり、右異議が認められて議員たる地位が回復せしめられない間に於て為された議員の行為に対し議事規則に違反したと言うので再び之が除名された場合に於ける決議の効力に関することが争いとなつた時に、前審裁判所は「取消の効力は単に議員たる地位を除名決議当時に遡つて回復せしめるにすぎないものであつて、その判決確定前になした被控訴人(被上告人)の行動を議員たるの行動とみなされるような結果を招来するものではない云々…」と判定したのであるが、苟くも自ら除名決議に対しその決議の効力を争つている場合に於ては少くとも主観的には自己が議員たりと信じているものであるから、議事規則又自己に適用さるべきものたることを予期し得るものである故に該除名決議が取消されざる間に於ける行動と雖も其議事規則に違反した行動なる以上は、自ら該行動自体が議事規則に違反せずと主張するならば格別、只単に如何なる行動と雖も議事規則を適用すべきものに非ずとして本訴は理論上許すべからざるものである。即ち、自己が議員たることを主張する以上は其議員たる責任を負うべきものであつて第三者が之を争うならば格別、自己が其議事規則に覊束されることを認めることが我々の社会通念上当然であらねばならぬ。例えば民法第五十九条の規定の如きは明らかに右趣旨に基いたものであるように見なければならないからである。即ち其決議自体が法律上無効であるとしても被上告人自体に於て其無効を主張することは許さるべきではない。然るに前審裁判所はこの点に関する判断を誤つていることに於て破毀さるべきである。 以上

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